三ケ日みかんの特徴

三ケ日みかんならではの貯蔵技術

 

現在、三ヶ日みかんで主力として栽培されているのは青島という品種で、この品種は高糖系のみかん品種として高い人気を持っています。

 

何より特徴は、他の品種より高い糖度に加えて独特の食味があることで、一般的に大きいタイプのみかんは味がぼやけて薄いものなのですが、この青島は大玉果であっても内容の濃さが魅力です。

 

おいしさを支えるポイントとして貯蔵性が高いこともあげられます。つまり非常に日保ちがいいということで、青島の形は大果系で扁平な形をしていて内容先熟型というタイプであるのが特徴で、中身の果実の充実が着色より早く進行するのです。

 

普通みかんは着色と果実内容の充実が同時進行していくのですが、青島は内容先熟型なので、農家では8分程度の着色状態から収穫に入ることができるのです。つまり貯蔵中に着色を進める方法をとっているわけで、この貯蔵にあたって、更に三ケ日の農家では貯蔵予措という技術を使って果実の貯蔵性を高める工夫も加えられています。

 

この貯蔵予措というのは、収穫された青島みかんに1~2週間程度、強制的に風を当てることで果皮や果汁の水分を約5%減らすことで、こうすることで、以後数ヶ月が経過しても、まるで収穫したてのような新鮮そのものの果実状態を保つことができるのです。

 

貯蔵予措が完了したら、ロジ箱という青島みかん専用の木箱に詰められて土壁の貯蔵庫で一定温度と湿度の中で眠らせます。これで青島みかんは貯蔵中に次第に果実の酸が分解されてゆき、糖度がどんどん上がり、食味も向上する状態に変化します。